4年目を迎え、今や日常生活の一部となりつつある私の合唱生活。昨年に引き続き、今年も浜松混声合唱団の夏の演奏会に向けて、日々練習に励んでいます。毎年夏に演奏会を続けてきた「浜混」にとって、昨年は20周年記念の演奏会でしたが、「フォーレク」の年は浜混としての演奏会は行われなかったので、今年は「第20回記念」の演奏会だとか。…まあ、記念というのはこじつければいくらでもできるものです。
今年のメインステージで歌う曲は、組曲「水のいのち」。高野喜久雄作詞、高田三郎作曲による、合唱の世界ではスタンダードナンバーと呼ばれる曲の一つです。20年前の「はじめましてコンサート」でも一部を抜粋して歌ったという、浜混の原点になる曲でもあります。今回は全5曲に挑戦。古くからの団員さんにとってはリベンジということになるのでしょうか。
今年もパート練習用のCDを作りました。「水のいのち」は、音程そのものはそれほど難しくない曲だと思っているんですが、問題なのはリズムの方。1小節ごとに拍子が変わる部分がいくつかあるんです。それも8分の5拍子なんていう中途半端なのが挟まっていたりするのが実に厄介。練習CDでは、メトロノームで拍子を細かく刻んで対応してみました。毎週の練習でも、最初は歌い出しのタイミングを外して「飛び出して」しまう人が続出していましたが、ようやく皆さん慣れてきたようです。練習CDの効果もちょっとは出てきたのかも。
演奏会では、「水のいのち」の他にも皆さんにもお馴染みの歌をいくつか歌いますが、今年のラインナップの中に「ずいずいずっころばし」があります。みんなで輪になって、手で筒を作って口を上に向け、そこに歌に合わせて順番に指を入れていき、最後に指が止まった筒の人が負け…という遊びで歌われるわらべ唄ですね。さすがに今どきの子供たちが「ずいずいずっころばし」で遊ぶとはあまり思えないんですが、日本人なら誰でも知っている歌の一つとは言えそうです。
ステージの上で歌うことを考えると、歌詞の意味を考えて歌いましょう…という話が出てくるわけですが、この「ずいずいずっころばし」では困ってしまいます。ストレートに読んでも意味が全然わからないでしょう?。個々の単語を見ると意味はありそうなんですが、全体を見たときに何を言いたいのか皆目見当がつきません。
ネット検索でちょっと拾ってみたところ、江戸時代に将軍にお茶を献上する「お茶壺道中」を揶揄したものだ…というのが一つの定説になっているようですね。しかし、他にも「お茶器を割った小坊主が井戸に身を投げた話」説、「遊郭の遊び歌」説(「茶壺」に順番に指を入れるのをアレに見立ててるわけですね)、さらには「本能寺の変」説や「流刑人の恨み節」説といった暗号系の話など、実にいろいろな説が出てきます。
実際のところはいろいろな歌がごちゃ混ぜになって、意味もわからぬままに子供たちが歌っていた…ということではないかと思うんですが、謎は謎にしておくのも面白いかもしれません。純粋に言葉遊びとして、リズムを楽しみながら歌うのが良さそうですね。
しかし、歌詞よりももっと不思議に思えるのがこの曲の節回しです。参考までに譜面を起こしてみましたが、この曲の場合どうやってもシャープやフラットなどの臨時記号から逃れることができません。半音ずつ3つの隣接した音が出てきますからね。西洋式の譜面で落とそうとするから無理がある…という話もあるわけですが、これはもう記譜の方法云々という話を超えているような気がします。
どうしてそんなことになっているのか、もう少し詳しく譜面を見ていくと、「ぬけたらどんどこしょ」から「ちゅうちゅうちゅう」までの部分は一時的に全音上の調に転調していると解釈するのが最もスマートな気がします。音程では隣でも音楽的にはかなり遠い転調をこんなにエレガントに決めている曲を、日本の近代以前の曲では他に思いつきません。しかも、通して歌っても1分もかからないわらべ唄ですからね。実に不思議です。
古くから歌い継がれてきたわらべ唄は他にもあるわけですが、どうしてこの曲だけこんなに音楽的に違うのか、理由を思いつきません。昔からこの通りの節で歌われていたのか?という問題はあるわけですが、「曲だけは西洋音楽が入ってきた以降に新しく付けられた」と仮定しても、わらべ唄として作る曲にこんな凝った仕掛けをするとはちょっと考えられませんし、これだけ民間に広がっている説明がつきませんし、それ以前に作曲者が歴史に残っているはずです。私にとっては、やっぱりこの謎は歌詞以上に大きな謎です。案外、歌詞と一緒に曲がつぎはぎされただけなのかも知れませんが。
先の譜面ではこれをふまえてあえてイ短調からロ短調に転調する形で書いてみたわけですが、結果的に音符に張り付く臨時記号は一つもない形になっています。しかし、一般的には臨時記号で対応している譜面が多いようです。このあおりを食って、合唱用の譜面もかなり読みにくいものになっています。しかも、ただでさえシャープ4つの嬰ハ短調で記譜されていますから大変です。譜面の音程は見ないで耳で音をとらえた方が簡単かも知れません。
昨年プロ野球への参入に失敗したライブドアが、今度は放送業界を狙っています。状況は日々刻々と動いているわけですが、詳しい話は各メディアで報道されているのを読んだ方がずっと正確でわかりやすいので、ここであえて解説はしません。それにしても、株式市場での時間外取引からスタートした、ニッポン放送のいわゆる「敵対的買収」というのは、実に強引な、しかし実にライブドアらしい方法だと感じました。
今回の件で、ライブドアの堀江社長はいろんなメディアに出ずっぱりの状態です。去年の件も含めて、「ライブドア」という名前の知名度はずいぶん上がったはずです…ただ、名前ばかりが目立って、「何をしてる会社なの?」と疑問を持ち続けている方もかなり多いはずですが。堀江氏がどう思っているのかはともかく、ライブドアは実にうまく名前を売りました。本来は莫大な広告費を払わなくてはできないことを、勝手にメディアが取材してくれることで実現したわけですから。ただ、今回の買収に失敗すると名前がどうのこうの以前に会社が存続できるのかどうか心配ですが。
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