当然といえば当然ですが
最初に、前回載せきれなかった新マザーボードでのベンチマークテストの結果を掲載しておきます。例によってCrystalMark 0.9を使い、これまで使っていたマザーボードでの結果をこちらから引用して比較しています。
CrystalMark 0.9 | ||
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Machine | GA-8IPE1000Pro2 | P4GD1 |
ALU | 8485 | 8522 |
FPU | 8487 | 8425 |
RAM | 8082 | 8244 |
HDD | 6733 | 6414 |
GDI | 7226 | 7050 |
D2D | 5456 | 4616 |
OGL | 21633 | 23698 |
Mark | 66102 | 66969 |
実質的にほとんど変わっていないのですから当たり前なんですが、結果の数値もこれまでとほとんど変わりません。唯一変わったと言えるビデオカード関連では、2D描画がほぼ同等かやや能力低下気味、3D描画はパワーアップ…といったところでしょうか。3Dゲームのようにビデオカードにものすごい負荷を掛けるソフトは使っていませんから、これで十分な気がします。
使い切ったらどうするの?
前にもご紹介したとおり、私はパソコンに保存しているデータをバックアップするためにネットワーク接続のハードディスク、いわゆるNAS(Network Attached Storage)を利用しています。自作タワーのハードディスクに保存されているデータをバッファロー・HD-120LANとの間で同期しておき、一部のデータはレッツノートとも同期を取って使っています。
買ったときには十分だと思っていた120GBの容量なんですが、これがとんだ見当違い。テレビ番組の録画データがどんどん容量を食いつぶしていきました。MPEG2形式の8Mbpsで録画して、1時間に4GBくらいを消費していたんですが、さすがにこれでは大変…ということで、保存時にはさらに高圧縮率の形式に変換することにしました。DivXなどいくつか形式はありますが、私が選んだのはWindows Media 9。最大の決め手は、Microsoftが作ったものなのでWindowsを使っている限りはサポートが期待できることでした。高圧縮率でも画質劣化が少なく、性能でも十分に満足できるレベルです…その代わり、圧縮処理にちょっと時間がかかりますけどね。
2MbpsのWindows Media 9形式に変換して保存するようにして、録画1時間あたり1GB弱で済むようになったわけですが、それでも気が付けば保存されているデータは110GB弱。HD-120LANには収まりきらなくなってきました。最近は「レッツノートで番組チェック」が日課の私にとって、テレビ番組は最もNAS上に置いておきたいデータ。何か対策を考えなくてはなりません。
容量が不足したとき、デスクトップPCの内蔵ハードディスクなら増設できますし、ノートパソコンでも交換という荒技があります。外付けハードディスクでも交換…と行きたい所なんですが、HD-120LANの場合にはハードディスクの一部にシステムが書き込まれているので、そう簡単に交換することはできません。どうしたものか…と考えていました。
組み立てキットの優位
そしてまた私の家には新しいアイテムが増えてしまいました。買ってきたのは、玄人志向のKURO-BOX/HG(写真右)。HD-120LAN(写真左)の色違い…という感じの外観が印象的です。「玄箱(くろばこ)」のニックネーム通り真っ黒な筐体ですね。
KURO-BOX/HGはそれ単独では動作せず、別途ハードディスクを入手して組み込み、システムをインストールするとNASとして使えるようになる「NAS組み立てキット」です。組み立てはマニュアルをよく読んで行えば難しくはありませんし、インストールはWindowsから添付CD-ROMのインストーラを起動するだけで行えます。
組み込むハードディスクには、Western Digital社のWD2500JBを選びました。低発熱・低消費電力が特徴で、玄人志向お勧めの製品だそうですが、ここで選んだ理由は250GBのUltraATA/100対応製品としては値段が安かったこと。1万3千円台で購入できました。こうして予算や目的に応じてハードディスクを選べること、そして容量不足やトラブルには「ディスクの交換」という手段を使えることが組み立てキットの強みでしょうか。
もう一つ、玄人志向ならではと言えそうなポイントが、CPUにPowerPC、OSにはLinuxを使っていることをはじめとして、ソースコードが提供されているなど内部情報がある程度開示されていること。その気になればどんなプログラムでも走らせることができます。中には、より高機能なLinuxパッケージをインストールする人や、Webサイトの公開に使っている人までいます。私はLinuxには詳しくないので、そこまで使いこなせるかどうかはわかりませんが。
「玄人」への誘い?
KURO-BOX/HGではインターフェースが1000BASE-T対応に高速化されているだけでなく、従来のKURO-BOX(おそらくHD-LANシリーズと同等だと思うんですが)と比較するとCPUやメモリも強化されているので、性能の向上を期待してしまうところです。試しにCrystalMark0.9のハードディスク系テストだけを使って比較してみましたが、読み込みはやや速く、書き込みは遅い…という、ちょっと理解不能な結果になりました。ハードディスクの機種の差が出ているのでしょうか。まあ、内蔵ハードディスクよりはるかに遅いことは変わらないんですけどね。
CrystalMark 0.9 | |||||||
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Machine | HDD access (MB/s) | HDD Mark | |||||
Read | Write | 512K Random | 64K Random | ||||
Read | Write | Read | Write | ||||
HD-120LAN | 8.68 | 8.73 | 6.49 | 8.63 | 5.97 | 8.23 | 1867 |
KURO-BOX/HG | 9.09 | 4.37 | 9.07 | 4.36 | 8.16 | 4.26 | 1569 |
しばらく使ってみたところで気になっているのが、内蔵時計の精度のあまりの悪さ。何しろ、パソコン本体と時計を合わせて1時間程度置くだけで20秒以上もずれてしまうんですから。1週間置けば1時間近くずれてしまう計算になるわけで、ファイルを同期させることを考えるとこれはさすがに困ります。HD-120LANのときには、こんなにずれているとは感じなかったんですが。今のところは、2~3日に一度手動で時計を合わせるという対応をしています。
普通だったらこれだけ時計が不正確だとクレーム続出だと思うんですが、そこはやっぱり玄人志向。NTPクライアントソフトを常駐させてこまめにインターネット経由で時刻を合わせる…という対応がネット上で紹介されています。もちろん、Linux素人である私にとっては乗り越えなくてはならない関門が多いんですが、可能ならやってみたい気もしています。もしかして、このお茶目なまでに不正確な時計は、全ての「玄箱」ユーザーにLinux通への脱皮を迫る呼び水なのか?という気がしてしまいますね。
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