モリタカを再評価する

プロ野球の日本シリーズは、西武ライオンズが4勝3敗で制し、12年ぶりの日本一となりました。中日ドラゴンズの半世紀ぶりの日本一は成りませんでした。第7戦では結構一方的な試合になってしまいましたが、ペナントレースからここまでずっと、来年以降にも期待させるような戦いを見せてくれました。来年に残してしまった「日本一」という宿題を、次こそは片付けてくれることを期待しましょう…いつでもついつい期待してしまうのがファンというものなのですが。


松浦亜弥のニューシングル「渡良瀬橋」が10月20日にリリースされました。タイトルだけ聞いてピンと来る方もいるかと思いますが、この曲は森高千里が1993年に歌ってヒットした曲のカバー作品です。「ハロー!プロジェクトで森高千里をカバー」というパターンは去年もありましたが、所属事務所が同じですから発想としては良くある話です。

森高千里と言えば、派手なビジュアルとコミカルな楽曲で一世を風靡したアイドル歌手…というイメージを持つ方が多いのかな?と思いますが、実はこの「渡良瀬橋」のようなバラード系の曲が意外に名作だったりします。彼女のこの手の作品では、他に「雨」もカバーの実績がありますね。いずれにしても、10年以上前の曲がカバーされるのにはそれ相応の理由があるのだと思います。私自身にとっても、この曲は好きな曲の一つです。

家のCDラックからアルバムを引っ張り出して、この曲を聴き直してみました。フォークソング風のシンプルなオケの上で、綺麗なメロディーに乗って、彼女独特のちょっと甘ったるい声で切ない歌詞が歌われています。クレジットを見ると、この曲では彼女がドラム、ピアノ、さらに大サビの後に出てくるリコーダーソロを担当していることがわかります。この曲の頃から、レコーディングで楽器も担当するようになったんですよね。

様々な楽器を手がける歌手と言えば、キーボード、ドラム、さらにはハーモニカで超絶的技巧を見せつけるスティービー・ワンダーを思い浮かべます。さすがに彼と比べるのはちょっと無茶で、彼女の演奏は正直なところ上手だとは思わないんですが、様々な楽器を手がけるのは自分の作品をなるべく自身の手元に近いところから伝えたい…という気持ちの現れではないかな?と思います。もともと、この曲以前から私にとっては彼女はミュージシャンであるという認識が結構強いんですよね。あのユーモアたっぷりの歌詞の数々も自ら書いてますし。


そんな風に予習をしておいてから、松浦亜弥版の「渡良瀬橋」を聴きました。スカパー!のラジオチャンネルのおかげで、CDを買わなくても発売からそれほど待たずにフルコーラスで聴くことが出来ます。「カバー」と言うからには完全コピーでは意味がないわけで、どこが変わったのかな?という意識で聴いてみました。

森高版と比べると、松浦版では1コーラス目の途中までドラムなしの演奏になっていたりして、よりバラード色が強いアレンジになっていました。オケが変わればそこに乗せる歌の表現も当然変わってきます。ストリングスなども厚めに入るようになったアレンジに合わせて、松浦版の方が感情の込め方が濃くなっているように感じました。どちらが良いかはともかく、違いははっきり出たようです。

ただ、もったいなかったのは、単語の途中で引っかかるように切れてしまう歌い方が数箇所で気になったこと。彼女の歌い方のクセなのかな?とは思いますが、歌詞をはっきり伝える重要性が高い曲ですから、もうちょっと注意して歌ってほしかったですね。彼女の技術的限界なのか、プロデュース側の単なる不注意だったのか、それともあえてそう歌わせたのか。少なくとも、意図的にそうする…という選択肢は考えられなかったと思うんですが。ただ、自ら書いた詞か、そうでないかの差が表現に微妙に出てきたのかな?という気もします。

もう一つ残念だったのが、大サビの後に登場する、オリジナルではリコーダーソロだった部分で、今ひとつ自己主張が薄くなってしまったこと。バックが厚くなったせいで、印象的なメロディーラインが埋没してしまったようです。さすがに「あややに吹かせる」という選択肢はなかったんでしょうね。森高版のハ長調からキーが半音上がったせいで、演奏するのが格段に難しくなってしまいましたし。これも、自ら演奏したかどうかが存在感の差になったような気がします。

全体的に見ると、松浦亜弥の「渡良瀬橋」はちゃんとカバー作品にはなっていたけれど、本家を超えるところまでは行かなかったかな?という印象です。結果的に、オリジナルの良さを再認識したような気がします。まあ、オリコンの週間順位では初登場で6位に入り、最高位が9位だったオリジナルを超えているわけですが。


今日で10月も終わり。部屋を見回してみると…まだ扇風機が置きっぱなしになっていました。さすがに11月になるまでそのままにして宣言通りになってしまうのも情けないので、今日片付けて代わりに石油ファンヒーターを出しました。そろそろ暖房が必要になるような気もしますし。

そして、今年も残すところあと2ヶ月となりました。そろそろ年賀状のデザインをどうするかも考えなくてはなりません。今年からパソコンでの縁なし印刷も出来るようになりましたが、無理にこれに追従する必要もないわけですよね。オプションの両面印刷ユニットを2,000円の処分価格で手に入れたので、印刷は表裏一発で出来るようになり、作業効率が上がっているはずです。ともかく、どんなモノを作るか考えてみましょう。来年・2005年は確か酉年でしたよね。


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