2004年10月2日(土)
半年間ご苦労様です
これを書いている今、既に浜名湖花博は閉幕しています。186日間(10月9日に台風のため閉場になりましたから)で訪れたお客さんは延べ5,447,788人。そのうち7人は私だったんですが、当初の目標だった500万人を超えて、不振に終わることも多い地方での博覧会の中では成功した部類になるのではないかと思います。花博の運営に携わった皆さん、半年間ご苦労様でした。
これだけ多くの人が訪れた理由を考えてみると、やっぱり展示そのものの質が高かったことがあると思います。これまでに行われた「花博」の中では最も大量の植物が用意され、かなり頻繁に入れ替えが行われています。3回来ればお得になる全期間入場券も功を奏し、何度も訪れるリピーター…言い換えれば「花博ファン」層を確保しました。こうなればしめたもの。口コミ情報は、どんな巨額を投じた宣伝活動よりも強力ですからね。
経験を生かして
私の七回目の花博は、自ら案内役を買ってのものとなりました。知り合いで「私は静岡県の職員なのに、まだ花博に行ったことがない」という人がいたので、その人と一緒に行くことにしたんです。浜名湖花博を主催する「財団法人静岡国際園芸博覧会協会」は、地元自治体の静岡県と浜松市が中心となって、浜名湖花博の開催のために作られた財団です。つまり、県は主催者のようなものなんですね。私にとっても、これで「7月以外は毎月来場」ということになります。
開場直後にしおさいゲートから飛び込んで最初に向かったのが、水辺の劇場奥にあるいろどりクルーズの西側乗り場。ここから花の美術館(モネの庭)方面まで船で移動します。前に乗ったときとは逆のルートで、見える景色も全然違いましたね。モネの庭を見てから百華園を通り抜けて西に戻り、園芸文化館で百種接分菊を見て、きらめきタワーの行列を横目に見ながら橋を渡って国際庭園方面に向かいました。
このルートだと、会場の一番奥にある人気スポットであるモネの庭に早い時間に到着し、比較的空いた状態で見ることができます。これまでの経験でお客さんの流れをおおよそつかんでいたので、午前中はこのルートで行こう!と先に決めていました。結果は見事に予想通りで、本当に上手く行きました。きらめきタワーのチケットも購入しようかと思っていたんですが、今回は相談した結果見送りました。あそこは、入るまでの労力の割にはあっけなく見終わってしまいますからね。
やっぱり国際博覧会です
国際庭園エリアでは、世界24の国と地域が趣向を凝らした民族色豊かな庭園を整備しています。花博会場内で最も「国際博覧会」色の強い場所です。例えば、中国の庭園では自然石がふんだんに使われ、独特の雰囲気を醸し出しています。庭園の柵の中だけは完全に別世界で、一瞬で中国まで来てしまったかのようです。
国際庭園で最も目立っていたのが、タイの出展していた2階建ての民族建築を中心とした庭園でした(この写真は8月にきらめきタワーから撮ったものです)。ただ、実際に足を運んでみると、建物の印象が強烈すぎるせいか、庭園としてどのように作られていたのかのイメージはあまり残っていませんね。
国際庭園を見ている最中に雨が降り出しました。結局この日は雨が降り続き、ときには叩きつけるような強烈さでした。帰る頃にはすっかり本降りで、雨具の準備が十分でなかった私たちはずぶ濡れになりながらバスを待つ羽目になってしまいました。まあ、用意していかなかった方が悪いんでしょうけど。
屋内も楽しい
雨が降るので屋内の展示を見に行こう…と思ったわけですが、考えることは皆同じ。パビリオンの入り口はどこも結構混んでいました。その中で、たまたま比較的すんなり入れたのが「花みどり未来館」。「屋内庭園」という趣の強い庭文化創造館や園芸文化館などとはちょっと違い、花と緑に関する先端技術を展示した巨大温室です。
ここの目玉展示の一つが青いバラ。青いバラを作ろうとする品種改良は長年続けられてきましたが、一番青い品種の一つと言われる→この「ブルーヘブン」でも、青と言うよりはほとんど真っ白…という感じです。もともとバラの花には青の色素が含まれていないため、真っ青なバラを作るのはまず不可能なのだそうです。
しかし、他の植物から青色色素の遺伝子を組み込むと言う力業で、この夏ついに青いバラが作られたのだとか。実にタイムリーな話題となったわけですが、遺伝子操作された動植物の取り扱いには法的規制があるので、残念ながら現物を展示するわけにはいかず、写真だけが展示されていました。
あまり派手ではないけれど、私としては結構楽しめたのが花の万華鏡。三角形に貼り合わせた鏡の先端にレンズが貼り付けられていて、覗いてみるとこんな風に綺麗な模様が視界いっぱいに広がります。
覗きながら筒を動かしてみると、模様が動いてさらに新しい世界が広がります。つい時間も忘れて覗き続けてしまいました。
もう一つ、ここで楽しめるのがチョウを放し飼いにした温室。オオゴマダラチョウと言う南方系の大きなチョウで、これが大量に飛び交っています。鉢植えの花に群がっているのを見ると、まるで鉢植えにチョウの花が咲いているかのようです。
このチョウの温室の出入り口はプラスチックチェーンの簾になっていて、チョウが逃げ出さないように考えられているわけですが、あまりに人の出入りが多かったせいかチョウが逃げ出してしまったらしく、通路を舞っているチョウと虫取り網を持って走り回っている職員の方を見かけました。さすがに温室の外にはなかなか逃げられないと思うんですが、これは大変ですね。あのチョウはどうなったんでしょうか?
今日のアクセス
自宅~【自家用車】~はまゆう大橋~庄内駐車場(駐車料金1,000円)~【水上交通】(片道600円)~会場
今回は3人だったので交通機関はもちろん車。そして、前回利用してみてかなり好印象を持った水上交通を、今回は同行の人たちにも勧めてみました。そんなわけでルート自体は前回と全く一緒。ただ、待っているお客さんが多かったので、前回よりもずいぶん船のスピードが上がっているように感じました。水路の交差点では派手にテールを振りながら旋回していました。近所には競艇場があるので、普段からイメージトレーニングも完璧…なのかどうかはわかりませんが。
今日のお食事
これまで毎回、「世界味めぐり」と称して花博会場での昼食には世界各地のファーストフードをいろいろと試食してきました。もちろん店を出しているのは国際庭園に出展している国々で、庭園そのものも実に国際色豊かであることには先にも触れました。それでも、私が一番「国際」博覧会であることを楽しんでいたのは間違いなく昼食の時間でしたね。
最後を飾るのがベリーズの露店。私には馴染みのない名前で、「ベリーズってどこ?」と思ったわけですが、前回のトルコから地中海を抜け大西洋を渡った先。メキシコの南隣でカリブ海に面する小さな国です。この地域の定番ファーストフードと言えば、やっぱりタコスで決まりでしょう。真っ赤なチリソースはお約束通りの強烈な辛さです。
その上に乗っている緑色っぽいのは、ハラペーニョと呼ばれる青唐辛子のピクルスですね。「乗せる?」と聞かれて思わず「はい」と答えてしまったんですが、これが実は辛さではチリソース以上だったりします。でも、この辛さがたまらないんですよねぇ。たっぷりとお茶を飲みながら、額から汗を吹き出しながら、それでも美味しくいただきました。
今日のお土産
お土産紹介の最後を飾る変なアイテムを探そう…といろいろ考えたわけですが、店頭で強烈な存在感を放っていたジャンボせんべいで締めてみましょう。その名の通り直径約23cmの巨大な海苔せんべいで、海苔のところに「浜名湖花博」の文字とのたね君のイラストが白くプリントされています。
食べてしまえば普通のしょうゆ味の海苔せんべいなんでしょうけど、何だかもったいなくて未だに食べずに置いてあります。きちんと密封包装されていて、賞味期限もまだまだ先ですから、しばらくはこれでも見ながら花博の余韻に浸ることにしましょう。しかし、これだけ大きいと食べるときにも大変そうです。
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