地道に布教中です
ここ半年くらいで、私の友人3人が相次いで新しいレッツノートを購入しました。まあ、そのうち2人には「れっつらー歴」があるので、レッツノートユーザーの裾野はあまり広がっていないんですが。売れたのは(別に私はPanasonicの営業部員ではないんですが)CF-R3、CF-T2、CF-W2のDVDマルチドライブモデル…と見事にバラバラ。それぞれの使い方に合わせた選択をした結果こうなったわけです。
パソコンの購入相談を受けることが結構多いんですが、いろいろと話を聞く中で「持ち運んで使いたい」という意向がある人にはレッツノートを勧めています。そうでない人には他にもいくつか選択肢があると思いますね。持ち運びたい人でも「軽量さは二の次でとにかく強く」ということならThinkPadもいいでしょうし、あるいはTOUGHBOOKなんて選択肢もアリでしょう。ともかく、パソコンは使い道をベースにして選ぶのが最良だと思っています。
ちょうど他の友人にもCF-R3を勧めたばかりなんですが、レッツノートのホームページを見るとCF-R3D/T2D/W2D(コンボドライブモデルのみ)の店頭販売モデルが既に「生産終了」となっています。マイレッツ倶楽部ではまだ購入できるようですが、この状況ではおそらく近日中にモデルチェンジがあるはずです。店頭在庫を極力抑える製品サイクルもレッツノートの特徴なんですが、タイミングを逸すると入手できなくなってしまう…というのは困ったものです。彼には「急ぎでなければ新機種が出るまでちょっと待て」と伝えておきました。
私の解釈の誤り
さて、今回の本題は、表題どおり高速無線LAN内蔵に関するお話。最初に法律との関係でこの話を取り上げてからもう1年以上になりますが、あの記事には意外に反響があったようで、既にレッツノートで無線LAN関係の改造を行っていた方々の間でも、私の記事が話題に上っていたようです。その割に私に直接連絡をくださる方がいなかったのは寂しかったんですが。
この件はすっかり過去の話になっていた私の元に、今月になって1通のE-mailが届きました。差出人は、SSK Worldをときどきご覧になっているという「初段くん」さん。4月にインプレスのPC Watchに掲載されたこの記事が気になって総務省に直接問い合わせ、回答をいただいたのだそうです。
回答によると、無線LAN機器の技術基準適合証明または認証(以下この意味で「…証明」と記述)の対象は無線機器の部分だけで、この機器が組み込まれた状態のパソコン全体を一体のものとして見ているわけではないのだそうです。無線機器の部分だけを別の技術基準適合証明を受けたものに入れ替えるのなら、電波法には抵触しないことになります。要するに、私が1年前に偉そうに示した解釈はこの点で間違っていたわけです。
ただし、この「無線機器の部分」は回路からアンテナまで一体のものなので、先に触れた記事などのように「アンテナはそのままで無線LANモジュールのみを交換する」という方法では、この新しい組み合わせが「たまたま」技術基準適合証明を受けていない限りは違法であるということになります。
合法的に改造できるのか?
メールをいただいた後で、改めて無線LAN内蔵ノートパソコンを見てみました(これは友人の購入したCF-R3)。底面の表示に注目すると、○の中に郵政公社の〒マークを入れたような図案のマークが見えます。TELECなどの無線機器認証マークと同じ形をしていますが、これはパソコン本体が取得しているJATE(電気通信端末機器審査協会)の認証マークです。無線LANに関する記述はそのすぐ下で、ここには「技術基準認証済みの無線装置を内蔵」と書かれています。この表示を見ても、パソコン本体と無線LAN機器の認証は独立していることがわかります。
このことをふまえて、改めて私のCF-R2AC2AXPには高速無線LANは内蔵できるのかどうか考えてみましょう。先の総務省からの回答に基づけば、技術基準適合証明を受けた無線LANモジュールとアンテナの組み合わせをそのまま内蔵すれば、電波法には抵触しないことになります。例えば、前に紹介した玄人志向の「802.11G-MPCI」は、同梱されているアンテナと組み合わせて使うのなら問題なさそうです。しかし、このアンテナはかなり大柄でCF-R2にはとても内蔵できません。他の多くのノートパソコンでも事情はそれほど変わらないはずです。穿った見方をすれば、アンテナが同梱されているのは玄人志向が「電波法違反を助長しているわけではない」と主張するための免罪符なのかも。
…と、それはともかく、残された選択肢は無線LAN内蔵のレッツノートに使われているパーツを取り寄せて組み込むことです。それも、当初のコンセプト「高速無線LAN」を実現できて、しかも私のCF-R2AC2AXPに内蔵できるもの…となると、CF-R2Cシリーズに内蔵されているIEEE802.11b/g対応の無線LAN一式しかないことになります。
さらに考えてみると、CF-R2シリーズはすべてCentrino機ですから、当然無線LANモジュールはIntel社製。IEEE802.11g対応のCF-R2Cシリーズに使われている無線LANモジュールはIntel PRO/Wireless 2200BGと特定できます。この無線LANモジュールは、最近秋葉原で数千円で単体売りされていますよね。これとCF-R2C純正品のアンテナ2本を別々に購入してきて組み込んだ場合でも、「たまたま」認証を受けている組み合わせであり問題はない…という結論が導き出されます。
展望は開けた、そして
これまではPCカードスロットに無線LANカードを差し込んで使ってきたわけですが、やっぱり内蔵できるものなら内蔵されていた方がスマートです。現状がものすごく不便なわけでもありませんが、たまにPCカードを他の用途に使いたいときには微妙にストレスが溜まります。例えば、H”の通信カードを使いたいときに無線LANカードが挿されたままになっているのに気が付くと、何だかペースを乱された気分になります。一方で、PCカードで運用すると、使わないときに抜いてしまえば確実に電源を切れる利点もあるんですけどね。
法律上の問題が気になって…というよりも、あんなことを書いてしまった以上、出来るとはわかっていても意地でも無線LAN内蔵の改造に手が出せなかった私にとっては、今回のことで最大の問題がクリアできたことになります。もともと分解や改造の作業自体には全然抵抗感がありません。今回考えたビジョンを元に、無線LANの内蔵に向けての行動を開始しようかと思っています。ここからがまだまだ面倒なんですけどね。それに、本格的に改造してしまう前に済ませておきたいこともまだありますし…これについてはまた改めて書くつもりですが。
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