宿題はひとまず保留
まずは、S3スタンバイからの復帰失敗問題の続報から。マイクロソフトのサポートサイトを探してみると、前回触れた「331958」以外にも今回の不具合に関連しそうな情報がいくつか見つかります。S3状態から再開するとコンピュータが応答を停止するという「317272」や、複数のATAドライブを搭載したコンピュータがS1電源状態に入る際の問題を記述した「812415」あたりはちょっと気になる内容です。
これらの記述に沿って、設定を変更したりアップデートパッチを適用したりしてしばらく使ってみましたが、安定性は最初よりも向上しているものの、それでもときどき復帰に失敗することがあり、全幅の信頼を置くことはちょっと難しい状態です。ソフトウェア面からの原因究明はこの辺りが限界のようです。
他に考えられる原因としては「マザーボードとハードディスクの相性」「まだ電源が能力不足」などがありますが、このあたりを検証するには新しいパーツをさらに購入しなくてはなりません。さすがに財布の中身にも限界がありますから、ひとまずこの問題は保留としておきましょう。当面は、確実に復帰動作して欲しいテレビ番組の録画では、動作の安定している休止状態を使って乗り切ることにします。
止められないなら外してしまえ
水冷CPUクーラーを導入したときに「別のファンの音が気になりだした」という話をしましたが、現在私の自作デスクトップに付いているファンを数えてみたら6個ありました。一つずつチェックしてみると、ケースファンもラジエータのファンも十分に静かですし、電源に付いている2個のファンも実に静かに回っています。
問題は残り2つ。ビデオカードに付いているファンと、マザーボード上のチップセットに付いているファンです。試しに手で止めてみた(おいおい、ええんか?)ところ、どうやらこの2つが今「気になっている」音の出所のようです。これらは他のファンに比べると小さいために回転数を上げる必要があり、その結果どうしても耳障りな高い音が出てしまいます。しかも、ケースファンなどとはコネクタ形状が異なるので、外付けのコントローラを使って回転数を制御するわけにもいきません。
それなら、ファンを外してしまえばいいじゃないか!ということで、「ファンレス」という発想が出てくるわけです。騒音源が丸ごと無くなってしまうわけですから、究極の対策と言えるかも知れませんね。もちろん、ファンも単なる飾りではなく、システムの冷却という重要な役目を持っているわけで、外した場合でもその役割を補完できるようにしておく必要があることは忘れてはなりません。
とんでもないパーツ・その3
そのあたりをふまえた上で今回導入したのが、「とんでもないパーツ」シリーズの第3弾。韓国・Zalman社のビデオカード用ファンレスクーラー、ZM80C-HPです。巨大なヒートシンクで放熱面積を増やすことによって、ファン無しの自然空冷を実現しようとしています。今私の使っているRADEON9700 Proにこのクーラーの同等品を装備した商品が市販されていますから、放熱能力は問題なさそうです。
取り付けは、同梱の説明書(英文とハングルで書かれているのは韓国製品ならではですね)が丁寧に書かれていることもあり、それほど難しくありません。むしろ難しいのは元々付いているクーラーを取り外すことかも知れませんね。なお、ビデオカードのクーラーを外すのは製品の分解に当たりますから、メーカーの保証等が受けられなくなる可能性があります。分解、改造は自己責任で。まあ、私の場合はバルク品を購入していますからそこは全然気になりませんでしたが。
取り付けるとこんな感じになります。ビデオカード基板の3分の2くらいの大きさのヒートシンク2枚がカード本体を挟み込むように取り付けられて、その間を金色のヒートパイプが結んでいます。見た目の印象通りかなり重くなるので、スロットへの取り付けはしっかりとネジ止めしましょう。
その分厚さのせいで隣のPCIスロットは使えなくなってしまいますが、もともと使っていないスロットなので、実質的にはこれでも問題はないでしょう。そもそも、拡張スロットを使わなくてはならないこと自体が減っていますしね。最近は他にも隣接スロットを占有するビデオカードが増えてきたせいか、AGPスロットとPCIスロットの間に1スロット分隙間を空けて設計されたマザーボードまで見られます。最大の問題は、そんな大げさな冷却機構が必要になっていることなんですが…。
ついでにもう一つ
チップセットのクーラーにも、これまたZalman社製のZM-NB47Jを取り付けてみました。型番の「47」は、高さが47mmというところから来ているようで、もともと取り付けられていたものの2倍近い高さがあります。その高さ故に、さっき取り付けたばかりのビデオカードとの干渉が気になりましたが、両端が切り落とされた形状のおかげで全く問題なし。この辺りはさすが同じ製造元の製品です。
この製品については、対応チップセットに「ビデオ機能を内蔵していないもの」との記述があったのでたぶん大丈夫だと踏んでいましたが、それ以外にももう一つ換装への決め手がありました。それは、マザーボードの製造元であるGIGABYTE社が、「静音バージョン」と称してチップセットファンを装備しないタイプの商品を発売したこと。これで「ファン無しでも大丈夫なんだ」という確信を得ました。もちろん、筐体内の換気がきちんと行われていることが前提なんですが、これについてはケースの性能で十分カバーできそうです。
気味悪いくらい
これらを組み込んでしばらく使ってみたところですが、今のところ不具合らしきものは全くありません。3DMark03などの3次元CGのヘビーなテストも余裕で完走しますし、一晩中かけてのビデオエンコードも大丈夫です。放熱状況を確認するために直接指で触れてみたところ、どちらもかなり熱くなってはいましたが、触れないほどの温度にはなっていませんでした。放熱性能としては十分なようです。
クーラーからの動作音は当然の事ながら全くなし。現状で前面に聞こえてくるのは水冷用ポンプの動作音で、ハードディスクや光ディスクを読みに行ったときだけアクセス音が聞こえる…という感じのようです。それも、聞き耳を立てないと聞こえないくらいのレベルですから、これだけのハイパフォーマンスを持つパソコンとしては異様なくらい静かです。この前遊びに来た弟も「静かだねぇ」と感心していました。まあ、彼のパソコンはもともとかなりうるさい部類なばかりか、最近はちょっとガタもきているようなんですが。
ところで、前には5,000を少し超える程度だった3DMark03の結果が5,400近くまで向上していたんですが、これはおそらくドライバを更新したのが理由でしょう。特に、3Dの関係はドライバのチューンナップでずいぶんパフォーマンスが上がりますから。ベンチマークでのスコア向上に関してはこれが「不正」と呼ばれたりするので事情は複雑なんですけどね。
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