私のところには、知人から届くものやSSK Worldに関する皆さんからのお問い合わせなどを除いた、私個人宛に書かれたものではない電子メールが週に100通前後届きます。ときには電子メールの添付ファイルとしてウイルスやワームが届くこともありますが、ほとんどは広告目的のメールです。ほとんどの場合、広告メールの方がそれ以外のメールよりもずっとたくさん届きますから、本当に大事な用事のメールを探すのに苦労することもあります。
広告メールの半分くらいはこちらが頼んでもいないのに無差別、一方的に送られている、俗にスパムメールと呼ばれるものです。この「スパム」というのは、アメリカのHormel社が作っている缶詰の豚肉「SPAM」がその語源で、イギリスのコメディー集団・モンティパイソンがかつてSPAMだらけの料理屋をネタにしたコントを作っている(劇中でも「SPAM, SPAM, SPAM…!」と連呼されるのだとか)ことから、一方的、無差別な広告手法を指す言葉として「spam」が転用された…と言うのが定説になっていますね。Hormel社のWebサイトを見ると、SPAMは伝統的な看板商品の一つで、「SPAM Museum」なる博物館まであるようです。
…と、それはともかく、スパムメールのコンセプト自体は、これまでにも行われてきたダイレクトメールを大量発送する方法と大差ありません。ただ広告を送る媒体が替わっただけとも言えるわけですが、その無差別度はさらに高まっています。自宅のポストに時折入っている消費者金融や分譲マンション、学習塾(私は独身の一人暮らしですから)からの広告ですらかなり嫌悪感を持つことがありますが、だいたい、英文のメールが大量に入ってくる時点で相手の国籍すら考えてないのがわかります。中にはネズミ講の勧誘、妙に安価なソフトウェア販売など法に触れていそうな広告をよく見かけます…まあ、これはおおっぴらに広告できないからこういう手段を使っているという面もあるのでしょうけど。
そして、もう一つスパムメールの困ったところは受信者がその費用を負担しなくてはならないこと。私たちはメールを受信するためにも通信回線を使いますから、特にダイアルアップやモバイルなどの従量制課金では、スパムメールを受信するほど受信者の負担が大きくなる…と言うのが非常にわかりやすくなっています。ですから、この手のメールは携帯電話で先に社会問題化しましたよね。
大量に送られるスパムメールは、インターネット全体から見ても情報量を浪費する迷惑な存在と言えるわけで、望ましくない存在であるという社会としての共通認識ができあがっています。既に法的な規制も始まっていますし、スパムメールを排除、分類するためのソフトウェアも数多く商品化されています。私が使っているウイルス対策ソフトの「ウイルスバスター2004」でも、この種のメールを判別する仕組みが統合されて提供されています。ただ、この手の手法もスパマー(spammer ; スパムメールの送り手ですね)とのイタチごっこになっている面があり、どうしても分類しきれないことがあります。ウイルス対策のデータベース整備と同じですよね。
このようにまともに相手をしてくれる人がほとんどいない状況で、既にスパムメールは広告手段としての能力を失っていると思うんですが、それでもなかなかなくならないのはどうしてなんでしょうか。単なる嫌がらせにしては、あまりに手間がかかり過ぎるような気がします。最初から広告のためよりも個人情報の収集のためにメールを送りつけている…という例もあるわけですが、それにしても読んでもらえないことには話になりません。
私のところに届く残り半分の広告メールは、いろいろな商店やWebサイトなどにメールアドレスを登録しておいて定期的にメールを送ってもらう、メールマガジン型の広告メールです。スパムメールとは違い、こちらからメールを送ってもらうようにお願いしているわけですから、届くこと自体は計算のうちですし、むしろ役に立っていることが多いです。
こうしたメールは週に1回程度定期的に発行されるわけですが、ときには「号外」「特集号」などと称して不定期に発行されることもあります。号外が人々の目を引くために有効な手段であることは、実際にここで時々号外を書く私自身も認識しているわけですが、これも度が過ぎるとちょっと嫌になることがありますね。
例えば、私が自作PC用のパーツを時々購入しているソルダムでもメールマガジンが発行されていますが、ネット直販でバーゲンセールが行われているときには数時間おきに「号外」が送付されることがあります。どう考えても数時間おきに商品を購入する性質のものではありませんし、購買意欲を高めるための手段としてもこれはさすがにやりすぎです。先にも書いたとおり、こちらからお願いしていることなので、文句を言うのも筋違いなのかも知れませんが。
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