SSK World

カメラが変わった

今回は、前回手に入れたN900iについて、これまで使っていたN504iSと比べながら、もう少し端末としての機能に突っ込んだ話をしてみたいと思います。

まずはカメラから。N504iSの登場した頃は、Jフォン（現ボーダフォン）やauがカメラ付き端末でシェアを伸ばしている中、「ウチもカメラを付けないとヤバいかも」という空気の中でとりあえず装備した……という感が強かったですね。しかし、今やカメラは携帯電話には付いていて当然の装備となってしまいました。N900iでは、こうした時代の変化に伴いカメラ周りの仕様がかなり改善されています。……考えてみると、携帯電話でカメラの評価が先に来るのも実に変な話です。

N900iの記録画素数200万画素は900iシリーズでもトップクラスですが、それ以上にマクロ切り替えスイッチが付いた（写真右）のが大きいですね。マクロレンズを外付けしなくてはならなかったN504iS（写真左）やN505iからは格段に進歩しました。レンズ周囲のリングを回転させる形のスイッチで、操作性もまずまずです。

使い勝手ではさすがにオートフォーカスの機種にはかないませんが、消費電力なども考慮すれば、マクロ切り替えは現実的な選択でしょう。カメラ付きのNシリーズでは以前から近接撮影が必須の機能が装備されていましたから、マクロ切り替えはむしろ付いていて当然で、それが端末内に内蔵できなかったからこその外付けレンズだったわけです。それにしても、N504iSではどうしてあんな実装になってしまったのかが非常に不思議です。

画面も変わった

次は、液晶画面を比べてみましょう。開いてみると、どちらも画面サイズは同じ2.2型です。しかし解像度が違います。N900iは240×320ドットのいわゆるQVGA。よ～く見ない限りはドットの存在を感じさせません。この解像度は、505iシリーズ以降で共通仕様となりました。N504iSのときには、独自サイズの高解像度が足かせとなって、互換性の問題が生じることもありましたから、共通仕様は歓迎すべきものです。

ただ、これまでのTFT液晶は見ていてまぶしいくらいだったのと比べると、N900iのバックライトは意外に落ち着いた感じですね。屋内では十分見やすいと思うんですが、晴天の屋外ではほとんど画面が見えなくなってしまいます。ただ、これについてはバックライトの明るさよりもむしろ表面の反射処理に問題があるような気がします。

不具合への対応も変わる

ところで、900iシリーズの先陣を切ったF900iのソフトウェアに不具合が見つかったそうですね。この1ヶ月で売れたF900iは6万8000台。これまでだと、ドコモショップの店頭まで端末を持って行き、ソフトウェアの更新を行うか、場合によっては新しい端末と無償交換する…という手順を踏んでいたわけで、交換ともなればメーカー側にとっては大損害ですが、今回は各自の端末からソフトウェアをダウンロード（通信料も無償だとか）することで不具合が修正されるのだそうです。

movaでも少し前の機種から端末製造メーカーに関係なくこの方法が使えるようになっていて、N900iでも同様の機能が用意されています。この方法なら、不具合が発生したときのメーカー側の負担をかなり軽減することが出来ますよね。携帯電話の高機能化で、特にソフトウェア開発者の皆さんにかかるプレッシャーは大きくなっていると思いますが、後から比較的簡単に修正することも可能…ということになれば、少しは気が楽になるかも知れません。もちろん、不具合のないものを作るのがメーカーの仕事なんですが、最初から完璧なものを作るのは非常に難しいことですしね。

変わってほしくないものもある

他にも変わったことはいくつかありますが、変わったことで一番困ったのが操作ボタンの配置です。N504iSの配置に慣れてしまったせいか、手探りでボタンを押すとしばしば間違えて別の機能を呼び出してしまいます。

よく話に上るのがカーソル移動キーと決定キーの位置関係ですね。N504iSでは移動キーの外側上に決定キーがあるのに対して、N900iでは移動キーの中央に決定キーがあります。決定キーが自由に矢印ポインタを移動できる「ニューロポインタ」を兼ねているのはまた別の話になりますが、決定キーが中央にあること自体は直感的にわかりやすいもので、それほど違和感はありません。むしろN50xiシリーズの方が特殊でした。

しかし、問題なのは決定キーを取り巻く4つのキー。これが似ているようで似ていないからたちが悪いんです。ちょっと表にまとめてみましょう↓。

N900iだけを使っているのなら、新しい配置に慣れればいいので特に問題はないのですが、N504iSも使い続けている私（これについてはまた改めて）にとっては非常に頭を混乱させてくれる材料です。ただ、新しい機能が増えている関係上、配置の変更には仕方ない面もありますし、N900iのボタン配置は先代のFOMA・N2102Vのものを踏襲していますから、方針自体は一貫しているわけです。それこそ慣れるしかない……ということになりますね。