名古屋で買った新しいバッグを持って、早速ゲレンデに出掛けました。めいほうスキー場は、初心者から上級者までレベルに合わせて楽しめる多彩な斜面が用意された、広大なスキー場です。その広さの割に、リフトの運搬能力に少々難があるかな?と言う気もしますが。
ハードシェルの性能は十二分。派手にすっ転んでも鞄の中身を心配しなくていいのは実に気楽です。ただ、ちょっと困ったのはリフトに乗るとき。やっぱり、腰に付けたまま座るにはちょっと大きすぎるんですよね。そのうち慣れるとは思いますが…今回だけでも15回くらいリフトに乗りましたし。
今回の本題は、昨年春公開された映画「ロード・オブ・ザ・リング」について。私もこの作品は見に行ったんですが、いよいよ来週末・22日から3部作の第2部に当たる「ロード・オブ・ザ・リング?二つの塔?」が公開されます。前作では大変楽しませてもらったので、今度も見に行こうとは思っていますが、来週末に映画館に行っても人があまりに多すぎて大変そうですね。いつにしましょうか?
前作の続きですから、当然のことながら前作を理解した上で見た方がより楽しめるはずです。しかし、何しろもう1年近く前に見た映画ですから、細かいところまでは覚えていない部分もあります。そこで、「もう一度見てみよう」と思い立ったわけです。どんなことでも大事なのは予習、復習ですよね。…とは言え、今映画館に行っても上映されていないんですから方法は一つ。そう、DVDを使って家で見るんです。せっかくホームシアターがあるんですから、活用しなくては。
「ロード・オブ・ザ・リング」のDVDにも実はいくつかの種類が出ているんですが、私は「スペシャル・エクステンデッド・エディション」を購入して見ることにしました。4枚組で9,800円という、最近の洋画DVDの相場からすると理不尽だと思えるくらい高価なソフトですが、内容を吟味してみると、この価格設定も仕方ないような気がしてきます。
というのも、本編は劇場公開版に30分もの未公開シーンが追加されるなど大幅に再編集され、音楽まで新たに作曲されたのだとか。ある意味別の作品だといってもいいかも知れません。実際に見てみると、劇場で見たときよりもキャラクターや背景の説明に割かれている時間が多くなったような気がします。おかげで、映画館で見たときよりもわかりやすかったですね。第二部、第三部への伏線となる映像も追加されているんだそうですが、これについてはまだ掴み切れていません。何度か見返してみないとよくわからないのかも。
また、本編についてもう一つのポイントは、音声トラックの多さ。英語と日本語吹き替えの5.1chドルビーサラウンドEXに加えて、より高音質なDTS-ESの6.1chサラウンド(英語)、制作スタッフや出演俳優たちの語る4種類もの解説音声トラックが入っている…という超豪華版です。特にDTS-ESの音声は強力ですね。私の家の場合は後ろセンターのスピーカーがない分5.1chにミックスされて出力されますが、音のきめ細かさ、定位感、重低音の迫力、どれをとっても違いがはっきりわかります。ドルビーサラウンドと比べると、CDとMP3の音声くらいの差に聞こえます。
4枚中の2枚が特典ディスクとなるわけですが、このボリュームがこれまた半端ではありません。制作のドキュメンタリー映像が実に7時間以上にもわたって収録されています。見るだけでも一苦労です。特典映像の収録されているDVDは多いんですが、ここまで来るともはや特典の域を超えています。
ドキュメンタリーを見ているうちに、どうしてこんなに長いのかがわかります。「ロード・オブ・ザ・リング」の制作は、単に1本の小説を映画化するということではなく、トールキン氏の構築した「中つ国」世界全体を映像化する…と言うことなんですよね。巨大なセットからほんの小さな小道具まで、全てがこのためだけに作られたオリジナルだそうです。
驚いたのは、CG技術を駆使して作られたと思っていた映像が、意外なほど単純な従来からの技法を活用して作られていたこと。巨大な模型を使った撮影が多用されているほか、身体の小さなホビット族が人間と一緒にいる場面にもCGや画面合成は意外に使われていません。ではどうやって撮ったのか?…私がここで解説してDVDの売り上げに響いては困るので(笑)秘密にしておきましょう。
もちろんCG技術も大活躍していて、CG無しではこの作品の完成はなかったでしょう。いろいろな技術が使われていますが、一番びっくりしたのは、膨大な人数の歩兵が戦うシーンが1体ずつに人工知能を仕込んでバラバラに計算させたものだ…ということ。確かにこうすることによって非常に自然な群衆の動きが実現できるはずんですが、計算量も膨大なものになっていることでしょう。それが可能になった技術の進歩には感服するばかりです。
前作を見に行った直後から読み始めた原作本の「指輪物語」なんですが、第1部の終了となる4巻までは何とか読み終わりました。読んでみて感じたのは、映画よりも話のテンポが非常にゆっくりだったこと。冒険と言っても常に手に汗握る緊迫した場面ばかりではなく、合間の穏やかな雰囲気の中で、登場人物たちの描写に字数を割いています。随所に挿入される歌がいい味を出していますね。登場人物たちへの感情移入の容易さでは映画よりも上です。先のドキュメンタリーにつながる話なんですが、トールキン氏が描きたかったのは冒険物語ではなくて、中つ国の歴史と文化だったんですね。だからこそあえて淡々と書かれた部分も多いのでしょう。彼にとっては感情移入されるのはむしろ本意ではないのかも。
ただ、訳が古いせいか文体そのものが読みにくい…ということはあります。「指輪物語」に登場する人名や地名には、言葉の意味を解釈して和訳が当てられているものが結構ありますが、今改めてこの作品を翻訳するならそのままカタカナで読み下してしまう部分が多いかも知れませんね。実は映画の字幕にもそういうところがあります。そもそも「The Lord of the Rings」というタイトル自体もそうですし。
「二つの塔」に相当する5巻以降を先に読んでおくかどうかずいぶん迷ったんですが、映画を見るまでは読まないことにしました。読んでから見に行っても、映画ではどのように脚色が行われているのかなど楽しめる点はいろいろあると思うんですが、前回と同じようにまずは映画の世界で楽しんで、その後で上級編(?)の文庫本に入ってみようかな?と思っています。
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