プロ野球では先週までに両リーグともペナントレースの優勝チームが決まりましたね。セ・リーグの読売ジャイアンツ、パ・リーグの西武ライオンズともに実績ある強豪チームを1年生監督が率いての優勝となりました。1年生とは言っても、ジャイアンツ・原監督、ライオンズ・伊原監督とも就任前にかなり経験を積んでいるからか全然フレッシュな印象は受けないんですが、それは私だけなんでしょうか?
ジャイアンツの優勝が決まった火曜日・24日は、ジャイアンツの試合中に他球場の結果で優勝が決定しました。ジャイアンツとしてはこの日の阪神タイガース戦に勝って胴上げ…と行きたかったはずなんですが、勝ち越していた試合もあろう事か延長戦に突入。しかも、5時間の死闘の幕切れはタイガースがサヨナラ暴投で勝利…というあっけないものでした。昨年大阪近鉄バファローズがリーグ優勝を決めた試合では代打逆転サヨナラ満塁ホームランというとんでもない幕切れが待っていたんですが、これとは違った意味で非常に珍しいパターンでしたね。
そういえば、対戦相手だったタイガースも気が付けばBクラスが定位置になってしまいました…今年はさらに下がいるので最下位ではありませんが。開幕ダッシュでは期待させてくれたんですけどね。眠っていた実力の片鱗は見せたと言うことで、来年以降の奮起を期待しましょう。一方の我らがドラゴンズは現在3位。といっても、まだ順位自体も確定していないので気は抜けないところです。
ペナントの行方が決まった後の興味は個人成績へと移っていくわけですが、今年は両優勝チームの主軸バッターがその主役に座っています。三冠王を目指すジャイアンツ・松井秀喜選手とシーズン最多本塁打を目指すライオンズ・カブレラ選手。カブレラ選手にも三冠王の可能性があるわけですが、「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざもあることですし、是非ホームランの記録を目指してほしいところです。二兎どころか三兎を追うからこそ難しいのが三冠王なんですが。
カブレラ選手の週末の相手は福岡ダイエーホークス。ホークスといえば昨年は同じように記録に挑戦していたローズ選手に対してかなり露骨な四球責めをかけたのが記憶に新しいところですが、今年は真っ向勝負のようです。別に「ホームランを打たせろ」とまで言う気はないんですが、チャレンジする機会そのものを奪ってしまうのは問題があるような気がしますね。もちろん投手やベンチの側にも言い分はあるのでしょうけど。勝敗や投手成績のことも考えれば敬遠だって立派な戦略ですから。
一方、松井選手の三冠王にはここに来てライバルが登場しています。それは我らがドラゴンズの福留孝介選手。今シーズンはずっと3割以上の打率をキープしてきた福留選手が、ここに来てまた調子を上げています。本人も初の首位打者に向けて意欲十分。落ち着いて考えると打率だけ狙えばいい福留選手の方が有利な気はしますが、こればかりはどうなるかわかりません。この週末はこの2人が所属するジャイアンツとドラゴンズの最後の直接対決となりました。
一本ずつの積み重ねで成績が残る本塁打や打点とは違って、割り算で成績の決まる首位打者争いにはさらに嫌な賞取りの手段が出てきます。打率で首位に立っている選手に首位打者を獲得させるために、その選手を欠場させておいてライバル選手は徹底的に歩かせる…ということも行われてきました。この時期になれば当然規定打席は満たしていますからね。打率が現状から動きさえしなければいいわけです。
現在首位打者の松井選手が三冠王を狙っているということもあって(ジャイアンツの残り試合数が少ないので、本塁打や打点もまだ安全圏とまでは言えませんからね)、両チームとも真っ向勝負…ということになりましたね。というよりも、現在首位打者の松井選手が出場している以上、お互いに打席で勝負しない理由はなくなってしまうんですが。ドラゴンズ投手陣は、松井選手の打率を下げようと討ち取りにかかります。松井選手の打率が下がれば、ジャイアンツ投手陣も福留選手と勝負せざるを得なくなります。
ペナントレースと違って、どんな展開でも最終戦まで結果がわからないのが個人成績のタイトルですが、それも各選手が最終戦まで挑戦を続けられてこそのことです。最後の最後まで楽しめることを期待しています。
セ・リーグの「さらに下」、横浜ベイスターズでは森祇晶監督がシーズン終了を待たずに解雇され、次期監督もほぼ固まったようです。優勝を逃した各球団では、選手への戦力外通告が始まっています。一方で、ドラフト会議での指名予想も新聞の紙面を賑わせ始めました。冷たい秋風の中、早くもポストシーズンは始まっています。さらにもう一方で、テレビで見た原監督へのインタビューでは「もう次(日本シリーズ)のことを考えちゃってるからね」なんてコメントが放送されていました。やっぱり勝負には勝たなきゃダメですね。
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