韓国及び日本を舞台にして(こう書かないと韓国の皆さんのご機嫌が悪くなるそうですが)31日間で64試合が繰り広げられた2002年のワールドカップサッカーは、ブラジルの史上最多となる5回目の優勝…という結果で閉幕しました。この間、Weekly SSKでも毎回どこかに話題として出てきてしまうほど注目していたわけですが、終わってしまうと一抹の寂しさを感じます。
世界トップクラスの選手たちのレベルの高い試合を身近に感じることが出来たのはとても良かったと思います。日本代表は決勝トーナメントの1回戦で敗れてしまい、その後はさすがにちょっと熱狂の度合いも冷めた気もしますが、そのことが却ってサッカーというスポーツそのもののおもしろさを実感できる機会になったと思います。実際、日本でのサッカー熱自体は私が思っていたよりは冷え切らずに1ヶ月間続きました。このことにはマスコミの人たちの力も大きかったと思います…特に某公共放送。あそこにはもともとサッカー通のアナウンサーが多かったようですね。
私が見ていて最も楽しめたのは個人の能力の高さ。強烈でしかも正確にコントロールされたパスやシュート、高速で巧みなドリブルは、やっぱりサッカーの最大の魅力だと思いました。優勝したブラジルはまさにそうしたものを持っているチームです。もちろん、一人一人の能力だけでは勝てず、11人の組織としての動きも重要なんですが、組織的な動きについては日本代表にかなり高度なものを見せてもらっていますからね。だからこそ個人の身体能力や技術の方が目に付いたのかも知れません。
前回も触れたとおり、今回は開催国の一方である韓国が3位決定戦まで進むという快挙を演じました。日本でのワールドカップへの興味が続いた原因の一つにもなったと思っているんですが、これまた少し前に触れたとおり、ここまで私はあまり韓国代表を応援する気になれませんでした。選手もサポーターも、自分たちの勝利することにあまりに執着して、それ以外のことは眼中にないように見えたんですよね。実際、韓国で行われた韓国戦以外の試合ではスタンドにかなり空席も見られたようです。日本の「とにかく世界トップのサッカーを見たい」という感覚とは異質なものを感じました。
ところが、3位決定戦のテレビ放送を見て私の見方もちょっと変わりました。韓国とトルコの対決したこの一戦、当然の事ながらスタンドは韓国サポーターで埋め尽くされました。ところが、私が思っていたのとちょっと様子が違いました。不思議なくらいトルコの応援団が多かったんです。巨大なトルコ国旗も見えます。韓国サポーターたちが、半分ずつに分かれてそれぞれ韓国とトルコの応援をすることにしたんだそうですね。どちらも予想以上の快進撃を見せたチームで、勝っても負けてもこの試合が最後。どちらのチームもここまで良くやった…という気持ちがそうさせたのかな?と感じました。
試合は、トルコ代表が予想外の大応援団に勇気づけられたのか試合開始からたった12秒で先制。最終的に3対2で勝ってしまいました。韓国サポーターたちが「しまった」と思っているかどうかはわかりませんが、韓国代表も、トルコ代表も、そして韓国サポーターたちも良くやったと思いますよ。もしも日本代表がここまで勝ち進んだとして、日本サポーターに同じことができたでしょうか?…きっとスタンドは日本応援の真っ青一色に染められていたと思うんですが。
ワールドカップは終わりましたが、日本代表の選手たちにはそれほど長い休みはありません。Jリーグもすぐに再開されます。もちろん、私はtotoでの予想も含めて楽しみにしていますが、これからのJリーグの人たちは大変だと思いますね。何しろ、世界トップクラスの試合を見てサポーターたちの目が肥えてしまいましたから、半端な試合では満足してくれません。ブーイングの出ることも増えるかも知れませんし、あまりレベルの低い試合が続くとJリーグそのものからサポーターが離れていく可能性すらあります。
きっと選手の皆さんもそんな緊張感を持って試合に臨むはずです。4年後のドイツでのワールドカップも見据えた、よりレベルアップしたプレー、レベルアップした試合が展開されることを期待しましょう。Jリーグの再開はJ2で早速5日から、J1は来週末の13日からです。
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