最悪のタイミング?
前号の記事ではテレビチューナー内蔵のビデオキャプチャーボード・MTV1000を導入したんですが、まさに私がこれを購入した当日に、製造元のカノープスから新製品・MTV2000の発表がありました。さすがにこれにはびっくりしましたね。私からすれば、あまりに重要な情報をタッチの差で入手し損ねてしまったわけです。
MTV2000は、MTV1000よりもさらに画質にこだわって作られた上位機種だそうですね。「3次元Y/C分離」など大型テレビのカタログで見かけたことのある機能をいくつか装備し、定価で6万円台というとんでもない値段が付けられています。カノープスの製品は高品質なのはわかっているけどあまりにも高価…というものが結構多いと言う印象を持っています(そういう意味ではEIZOの製品とよく似ています)。さすがにこれだけの投資をする価値があるとは思えませんから、もしMTV2000の存在を知っていたとしても私の選択は変わらなかったでしょう。
見るだけじゃ物足りない
テレビパソコンも、ただ単にパソコン画面でテレビを見ているだけではあまりに芸がありません。番組を録画することによってその真価が発揮されます。録画する媒体はハードディスクやDVD-RAMなどになりますが、これらのメディアの特徴はランダムアクセスが可能なこと。能力に余裕さえあれば録画しながら再生するという離れ業もやってのけます。録画中の番組を最初から再生するいわゆる「追っかけ再生」や、番組を一時停止しておいて後から続きを見る「タイムシフト再生」はまさにこうした特性を生かした機能で、少なくともテープ媒体のビデオには真似のできない芸当です。
最近は、ハードディスクやDVD-RAMなどに録画できるAV機器が登場していて、当然のようにこうした機能を実現しています。しかし、十分な能力のあるパソコンさえあればこれらに比べてかなり安価な出費で同等の機能が実現できます。しかもハードディスク容量は好きなように決められますし。バルク品として売られているハードディスクならかなり安価で大容量のものが手に入りますよね。
お手軽で先進的
MTV1000でも、当然ながらこうした多彩な録画機能を実現しています。「MEDIACRUISE」では、テレビ視聴中に「一時停止」ボタンを押すと番組の録画が始まり、その後「再生」ボタンを押すとタイムシフト再生が始まる…というインターフェースになっています。直感的にわかりやすい操作系ですね。このときに、一時的にハードディスクに記録されるファイルを保存しておくかどうかも設定しておくことが出来ます。
一方、「TV Recording Manager」での予約録画には別の意味でパソコンらしい機能が付いています。インターネットで公開されている番組表を利用して予約を行うiEPG機能が利用できます。Webサイト上で番組を呼び出し「予約」ボタンを押しさえすれば簡単に予約設定が出来ます。iEPGはもともとSONYがVAIOで利用するために始めたらしいんですが、今では他社の製品からでも利用できるようになっていますね。インターネットに接続しないと番組表のチェックが出来ないのが難点ではありますが、常時接続可能な環境ならそれもあまり気になりません。
難しい話もあります
録画に際して問題になるのはPCの処理能力。テレビを見るだけならそれほど高い能力は要求されないんですが、録画は画像を圧縮し(圧縮しなくても構わないんですが、今度はディスクの消費量と転送速度が到底追いつきません)ディスクに書き込み続ける作業ですから、PCにとってもかなりの重労働になります。
MTV1000の持ち味は高画質ですから、当然の事ながら出来るだけ高画質な形式で録画したくなります。ところが、「高画質」モードではPentium3-866MHz以上のCPU能力が要求されるので、私の自作機では能力不足。仕方なく「標準」モードで録画しています…それでも十分に高画質ではあるんですが。これまで私の自作機で能力不足だと感じたのは3次元CGのレンダリングのときだけ。でも、PCの能力が上がってくると、その能力の使い道はこんな風にちゃんと出て来るものですね。
もう一つ、予約録画をするときに問題になってくるのは予約中のPCの電源管理。もちろん電源を入れたままにしておけばよいのですが、そうなると今度は電力消費が無視できません。また、ファンが回る音なども結構気になったりします。「TV Recording Manager」ではスタンバイ状態や休止状態から復帰して録画できるようになっているんですが、この機能を正常に働かせるためには全てのデバイスが正常にこの動作に対応していなくてはなりません。そして、自作機の場合この条件を整えるのが難しくなってきます。
私の自作機の場合、Sound Blasterを取り付けて以来スタンバイ動作や休止動作が正常に動かなくなっていました。サウンドカードをそれまで使っていたものに戻したら、何故か休止状態だけは正常に動作したので、この状態で使うことにしました。光デジタル入力はなくなってしまいましたが、これについては改めて検討しましょう。ちなみに、Sound Blasterを売り払ったらたったの3,000円。まあ、仕方ありませんけどね。
コメントを残す