年末になると巷にはいろいろなものが出てきますよね。この時期にはいろいろと気になる記念日やイベントがあります。現在行われているサッカー・天皇杯もその一つですし、一昨日の14日は「忠臣蔵」の日ですね。吉良邸に討ち入った47人を「義士」と呼ぶか「浪士」と呼ぶかでその人の立場がわかります。赤穂にも吉良にも知人のいる私からすると、これが結構楽しかったりします。
…というのはともかく、その中でも結構気になるのがビートルズ。解散から30年以上経ってもその存在感は絶大な彼らですが、1980年12月8日にジョン・レノンが亡くなって「再結成」が永遠に不可能になって以来、この時期になるといろいろなメディアで取り上げられます。今年の11月29日にはジョージ・ハリスンが亡くなりましたね。こうしてメンバーが世を去っていくことにより、どんなに偉大だったグループでもゆっくりと過去のものに変わっていきます。
(※日時はいずれも現地時間)
今更私がここで言うまでもないくらい有名ですが、ビートルズは1960年代初頭にイギリスで生まれた4人組のバンドで、その後世界中に進出、ライブでは観客席に気絶者が出るほどの熱狂的な人気を誇りました。来日したときにもものすごかったらしいですね。1970年に解散するまでの間、数々のヒット曲を生み出しました。また、曲ばかりでなくその言動でも目立ち、いろいろと物議を醸したそうですね。
ビートルズが世界の音楽に与えた影響には非常に大きなものがあると言われます。世界中の音楽を志した人たちは、特に私たちよりも上の年代の人たちになると、ほぼ例外なく「影響を受けたアーティスト」に彼らの名前を挙げます。それこそ、とりあえずそう言っておかないと恥ずかしいのかな?と勘ぐってしまうくらい。一方で、私にとって彼らの存在がどんなものなのか?と考えると、少なくとも「影響を受けたアーティスト」の筆頭にあげるほどの思い入れはありません。何しろビートルズが解散したときですら私は生まれていませんでしたから。少なくとも、ライブ会場で熱狂した人たちの気持ちは理解できません。
ただ、彼らの曲を聴く機会はいくらでもあります。今でも、ベスト版を含めて数多くのCDが市場に出ていますし、テレビやラジオでも頻繁に取り上げられます。さらに、彼ら自身のパフォーマンスだけでなく、数多くのアーティストによって数多くの曲がカバーされています。「White Christmas」などと並んで世界一数多くレコーディングされている曲の一つが確かビートルズ・ナンバーだったと思うんですが、どの曲なんでしょうか?
そうして触れられる彼らの曲を聴いていて思うのは、時代の流れを感じさせないこと。作品を聞いたときにいわゆる「古さ」を感じないんです。確かに彼らのレコーディング技術は当時としては斬新なものでしたし、普通のロックバンドでは考えられないような楽器…フルオーケストラや民族楽器、さらには現在のサンプリングマシンの祖先になる機械も使っていましたが、ここで言うのはそれとはちょっと質が違うような気がします。
それは、曲そのものの持つ魅力なんだと思うんですよね。英語の歌詞をリアルタイムに聴いて理解できるだけの力はないので、歌詞も含めた正確なところはわからないんですが、曲を聴くだけでも何かのエネルギーが伝わってきます。音楽理論で説明するのなら、型破りな構成やコード進行による意外性……と言うことができると思うんですが、曲を受け止める側からすると、それは理屈抜きの強烈な主張の持つエネルギーだと思います。ビートルズは音楽的にも新しい時代を作った…と言われますが、記憶に強く残る曲を数多く残したことそのものでも、確かに一時代を作ったのだと思えます。
今でも思い出すのは、高校時代の音楽の授業で、クラシック曲ばかり習っていた中で唯一クラシック以外で鑑賞した曲がビートルズだったこと。先生が何を思ってそうしたのかそのときには理解できなかったんですが、今では、どんなに時間が経っても変わらない音楽の価値を伝えたかったのかな?という気がしています。どんなジャンルの音楽でも、何か光るものを持っているから末永く残っているんですよね。私は、そんな「何か」を持った曲を作れるんでしょうか?…そんなことを考えながら日々を過ごしています。
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