どうせやるならとことん無線で
前回の「SSK meets Broadband」で、自作デスクトップ機を無線LAN経由でADSL回線に接続しました。今更言うまでもなく、私が常時使っているパソコンにはもう1台レッツノート・CF-B5Rがあり、しかもこちらの方が事実上のメインマシンです。事実、ADSL導入当初はB5RのLANポートにADSLモデムを直結して使っていたんですが、ADSLモデムのLANポートは無線LAN基地局・Aterm WL50Tにつながってしまいました。
WL50Tにはパソコンを接続できるUSBポートも装備されています。でも、せっかく無線LANが使える環境ですし、無線での接続は持ち運びの出来るノートパソコンでこそ生きるのでは?と思ったので、こちらも無線LANで接続することにしました。それがこれ。同じくNEC製のPCカード型IEEE802.11b端末局・Aterm WL11Cですね。統一規格であるIEEE802.11b準拠であればハードウェア自体は他社の機器でも使える気もしますが、添付ソフトなどのことを考えれば他に選択肢はありません。
WL11Cをレッツノートに装着するとこんな感じになります。出っ張った部分の大きさは、ちょうどPCカード型H”端末よりも8mmほど長いんですが、シンプルなデザインでそれほど邪魔には感じません。ランプは2個付いています。ソフトウェアは先に設置したワイヤレスセットと基本的に全く同じもので、セットアップはこれまた非常に簡単でした。
これで、デスクトップ、ノートのどちらからでも自由自在にブロードバンド環境が利用できるようになりました。そして、この2台のパソコン相互間でも面倒な配線無しでファイルのやりとりやプリンタの利用が出来るようになりました。ファイルの転送は有線のLANに比べるとずっと遅いんですが、数百MBのファイルを転送するのでもなければ配線無しで簡単に利用できるメリットの方がずっと大きいと感じます。デスクトップ機に保存してあるMP3音声ファイルをレッツノート側で再生するくらいのことなら、全くストレス無しで行えます。これは結構便利。
ついついやってみたくなること
「無線」と言うことでついつい試してみたくなったのが、どのくらいまで離れた場所で使えるのか?と言うこと。WL11Cの仕様一覧を見ると、伝送距離は屋内で25?50メートル、屋外なら50?115メートルということになっています。基地局が屋内にあることを考慮に入れても、額面通りに受け取れば電波の届く範囲は家の敷地よりもずっと広くなります。遠くまで届くなら便利か?……というと、必ずしもそんなことはなく、むしろ悪意ある第三者がこの電波を利用できる可能性が出てきて、困った事態になることも考えられます。
実際には、無線LAN側にもこうした部分のセキュリティを守るシステムがいろいろ用意されています。特定のハードウェアにのみアクセスを許可することも可能です。全てのネットワーク機器には、MACアドレスというハードウェア1台ごとに固有の番号が割り振られていますから、これをアクセスキーに使うわけです。また、転送されるデータそのものの暗号化も可能です。
そうした問題はまた別として、早速レッツノートを片手にいろいろと歩き回ってみました。最初に屋内を歩き回ってみたところ、居間から台所、寝室、トイレや浴室まで含めて全ての部屋で電波状況は「良好」。まあ、家自体それほど広いわけじゃありませんから、この程度の範囲で送受信が出来ないようでは問題外ですが。
次にベランダに出てみましたが、ここでも電波はちゃんと受信できていました。さらに、靴を履いて表に出て、家の周囲を一回りしてみました。自家用車を止めたり、プランターで野菜などを育てたりする程度の狭い庭ですが、家の敷地内ではどこにいても電波状況は「良好」?「適切」の範囲内でした。
家から外に出て、道路に出てみました。この段階でもまだ電波状況は「適切」。隣の家に向かって歩いていくと「限界」の表示が出始めて、2件隣の家の前で「範囲外」になりました。このときの基地局までの距離は35メートルくらいだったでしょうか。住宅地で、家や塀などの障害物が比較的多いところですから、カタログ値よりもやや短い結果になったのではないかな?と思います。直線距離で50メートルくらいの近所の公園で使えると、芝生に転がってネットサーフィンできたりして楽しいな…と思っていたんですが、見事に「範囲外」。残念ではありますが、家庭内LANとして考えた場合にはちょうど良い能力だと言えると思います。
【ちょっとおまけ】
最後に、バージョンアップのお知らせです。と言っても私自身が作ったソフトではないんですが、前に「レッツノートのある暮らし」で紹介しためるへんてんと・まかべひろしさんのJogPlayerで、ジョグリモコンの画面にこれまでのファイル名に代わってMP3ファイルのID3タグから曲名・アーティスト名を読み込んで表示できるようになりました。私も早速アップデートして使っていますが、非常に長いファイル名を付けなくても済むのは非常に便利だと思います。お試しあれ。
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