まずは経過報告
前回、動作に引っかかりが出ることを理由に「使えない」と断を下したiPanelなんですが、マザーボード・CUSL2のBIOSを最新版(1008 beta 2)にアップデートしたら、一応問題は解決しました。といっても、BIOS側でiPanelの表示を更新するタイマーを「無効にする」というオプション設定が用意されただけなんですけどね。この場合でも、iPanel上のボタンを押すごとに表示が更新されますから、実用上は問題がありません。いろいろと苦情も寄せられたんでしょうね。特にDVD-Videoの再生は最近一般的になった使い道ですし。
ケースの役割
今回のテーマはケース。パソコンを自作するときに、各部にどんなパーツを選択するのかいろいろと考えるわけですが、ケースはその中でも最も軽んじられがちなものの一つだと思います。確かに、ケースの選択が即性能につながるものではないかも知れません。CPUやビデオカードなどに予算をつぎ込み、ケースは「安いもの」で済ませてしまったりします。しかし、ケースに求められる条件も実は意外に多いのです。
一つポイントになるのは、組み立ての容易さ。自分で組み立てなくてはならないわけですから、これは当然ですね。私が最初に買ったケースのように、前面にいろいろな接続端子があるのも便利かも知れません…私の場合、この前面ポートは意外に使っていなかったんですが。そして、これとは別に結構大事なのが見た目。中身がどんなにすばらしい装備でも、直接表に見えているのはケースだけです。あくまでも道具だ…と割り切る人もあると思いますが、私はやっぱり見た目にこだわりたい人です。良くできたケースには、たいてい機能美というものが付いてきますけどね。
ケースに3万円を払う意味
今まで使っていたケースにそれほど不満があったわけでもないのですが、ふと思い立って新しいケースを購入してしまいました。それがこれ。Soldamの販売しているアルミ製ケース・WinDy A3です。WinDyと言えば、元祖アルミケースのブランドとして今はすっかり有名ですが、製造元の星野金属工業は、かつてあの国民的パソコン・PC-9801のケースを作っていたという由緒正しきメーカーです。
市販品は白と黒の2色あるんですが、これは通信販売限定仕様の「MV2」で、前面パネルがシルバーに塗装されているだけでなく、側面の外装パネルはアルマイト処理。アルミの素材を前面に押し出した仕様で、所有する喜び(私はこの言葉が大好きなんですが)を演出してくれます。
裏を返せば、塗装しない分安上がり…と言うことかも知れませんけどね。豊富なオプションパーツも標準装備なのに、標準色の製品よりもずいぶん安いんです。もともとA3シリーズ自体が比較的安い価格設定なんですが、それでも価格は消費税を入れて27,300円。これまで使っていたケース(これとかこれ)なら3個買ってもまだお金が余ります。
届いた箱を持ってまず思ったのが「軽い」と言うこと。アルミ製ですから、素材の厚さなどを考慮してもスチール製のケースより軽いんですよね。そして、ケースを分解、さらにパーツを組み込んでみて感じたのが非常に高い加工精度。これまでに作った他のパソコンでは、ケースにきっちりとパーツが入らず、ペンチで曲げたりしながら組み立てていたんですが、WinDy A3にはそんな必要は全くありませんでした。高価なアルミ素材を使っていることも考えれば、3万円弱の価格も十分納得できます。
ちなみに、このケースに付属の電源は専用コネクタも装備したPentium4対応。ケース側面から外気を取り入れるファンも、Pentium4のために取り付けられているものです。今の私の環境からするとそこまでする必要はないのかも知れませんが、そこは将来への投資と言うことにしておきましょう。心配なのは、メーカーの気まぐれでまた規格が変わってしまうことなんですが。
こだわりが大事なのです
組み立て自体は、これまで使っていたものを元通りに収めるだけですからどうと言うこともないのですが、ちょっと工夫してみました。それは放熱への配慮。もともとアルミは鉄よりも熱伝導性が高いので、アルミのケースに部品を取り付けることは放熱に役立つはずです。ハードディスクを取り付ける3.5インチシャドウベイは4基分ありましたから、よく風が通るように、こんな風に隙間を空けて取り付けてみました。配線も綺麗にまとめて、ファンで送られた風がスムーズに通るように考えてみました。
組み上げてみると、予想していたとおり白色のドライブ類がシルバーのケースから浮き上がってしまいました。WinDyブランドで、ケースの色に合わせたCD-ROMドライブやフロッピードライブも売ってるんですが、さすがにそこまで交換するだけの経済的余裕はありませんでしたね。塗ってしまうと今度は他に転用できませんし…(結局塗ってしまったんですが)。
実は、スイッチを入れて最初に感動したのが電源表示の青色LED。まだまだ高価な部品なんですが、ここに惜しげもなく使ってくれています。こう言う直接の性能には関係ない部分のこだわりが、これまた所有する喜びを煽ってくれます。ハードディスクアクセス用の赤色LEDも高輝度タイプ。部屋を暗くして起動すると、これがまたカッコいいんですよ。
…と、見た目のことばかり紹介するのも何ですから、放熱性能について確認するため、DVD-Videoを再生しながら、CPU温度をiPanelでモニター(もちろん時々再生が引っかかってしまうんですが)してみました。すると、これまで50度Cくらいまで上がっていた温度が40度C台前半から上がらなくなりました。さらに、もっと高い負荷を掛けるために3次元CGのレンダリングもさせてみました。最高温度はこれまで60度近かったんですが、52度Cあたりで安定していたようです。この間筐体内部の温度は35度Cのまま。それなりの効果はあるようです。
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