12月に入り、街はすっかりクリスマス一色です。電飾などで華やかに飾られたクリスマスツリーやリース、BGMには数々のクリスマスソング。
本来クリスマスはキリスト教のお祭りで日本人には関係ないんだ…という人もいます。確かに、クリスマスから1週間以内に除夜の鐘を突き、神社に初詣に出かけてしまう日本人には節操がないかな?と私自身も思いますが、いろいろな文化のつまみ食いをしながら自分たちなりに楽しんでしまうのも日本人の持って生まれた能力のひとつだと思います…他の文化に対する配慮も必要だとは思いますけどね。私は年末の街の賑やかな雰囲気が大好きです。
毎年この時期になると考えるのが、Music Worldでクリスマスソングを公開したいな…ということ。クリスマスソングと言えば、いろいろな種類の曲がある中でもジャンルを超えて冬の定番と言えるものだと思います。自分で楽曲を作る人間としては、その言葉の持つ響きそのものに憧れてしまうんですね。
ところが、これもなかなかできるものではありません。曲作りだけでなく、創作活動というのは精神的なコンディションに出来が大きく左右されるものだと思っています。クリスマスソングというのは、クリスマスのイメージが頭に湧いてくるこの時期でないとなかなか作れないもので、しかもクリスマスよりも前に公開できなくてはその存在価値を失ってしまいます。時期を逃してしまうと、次に脚光を浴びるのはまた1年後。作るのもなかなか難しいんです。
もともとクリスマスの儀式曲だった賛美歌は別格として、様々なジャンルのアーティストが「クリスマスソング」と呼ばれるものを発表しています。これらの曲が何故そう呼ばれるのかを考えてみると、結局のところ2つの要素に集約されているような気がします。
一つはクリスマスについて歌った歌詞。極端な話、ごく普通の曲の中に「クリスマス」という文字を入れてやるだけでもクリスマスソングができあがってしまいます。中には「?(アーティスト名を入れましょう)?のクリスマスソング」なんて言うタイトルを付けてしまう強引なものもあったりしますね。
特にクリスマスのことを謳っていなくても、キーワードとして「雪」が登場する曲がクリスマスソングとして聴かれることが多いですね。雪とクリスマスの間には切っても切れないイメージの結びつきがあるようです。南半球だとクリスマスの頃は夏真っ盛りなので、必ずしも世界共通のイメージとは言えないんですが。
もう一つは、クリスマスの雰囲気を感じさせる音色。テューブラーベルや鈴、あるいはパイプオルガンといった楽器はこの働きが強いですね。他に厚みのあるストリングスなどを用意してちょっとそれらしいフレーズを奏でるだけで、クリスマスの雰囲気は意外に簡単に作れてしまいます。既存の曲に「クリスマスバージョン」という変奏曲を作る場合にしばしば用いられるのがこの方法ですね。私も実際に作ってみたことがあります。
実は、今年もクリスマスソングを作ろうと挑戦しています。クリスマスまであと2週間。皆さんに聴いてもらうにはあと1週間くらいで作らなくてはなりません。まさに締切間際の作家の心境なんですが、別にこれで飯を食っているわけではないので余り気にしないつもりです。中途半端なものを公開するよりは時期が遅れた方がましですからね。遅れたら来年公開することにしてじっくり作り込めばいいかな…って、そんなことを言っているからいつまで経っても完成しないんですが。
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